2018年問題 派遣社員に影響する派遣法改正のもう一つの狙い

2015年9月の派遣法改正により同一の派遣先で就業できる期間が3年となり2018年10月には派遣社員のいわゆる「3年ルール」の運用が本格的に始まります。
3年ルールの詳細についてはこちら
派遣社員雇用3年ルールの実態

この法律では「3年ルール」という雇用期限ばかりが注目されがちですが、派遣法改正で1番最初に記載されている『労働者派遣事業の許可制への一本化』という項目が、派遣社員に大きく影響を与えるものなのにあまり注目がされていません。

労働者派遣事業の許可制への一本化とは?

厚生労働省の 平 成 27 年 労 働 者 派 遣 法 改 正 法 の 概 要 の中で下記のように記載がされています。

『施行日(平成27年9月30日)以降、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別は廃止され、すべての労働者派遣事業は、新たな許可基準に基づく許可制 となります。』

今まで特定労働者派遣事業は申請制だったものが、特定労働者派遣事業という名称が廃止され一般労働者派遣事業へ統一を行い派遣事業は全て許可制に変更するというものです。

特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の主な違いを一覧表にしてみました。

項目 特定労働者
派遣事業
一般労働者
派遣事業
雇用形態 派遣元と無期雇用の正社員 派遣元とは登録型や臨時・日雇という形で有期雇用
資産
現預金
要件無し 資産:2000万円以上
現預金:1500万円以上
届け出 申請制 許可制
届け出
期間
受理即日 受理2~3カ月後
事業所
面積
要件無し 20m²以上
事業所
現地調査
基本的に無し 現地調査あり
法改正では、上記表の一般労働者派遣事業に新たな許可基準として教育訓練の機会の提供やキャリアアップの実施計画を定め、より高い専門的知識や能力を身につけさせることが義務付けされています。

この法律は経過措置が取られており、平成30年9月29日までは、許可を得ることなく申請を出していれば引き続き特定労働者派遣事業を営むことが可能となっています。

つまり3年ルールが本格運用される2018年10月と同時に許可制への一本化も本格運用が適用されるってことです。

許可制に1本化する本当の狙いは

標的

申請の場合は、下手したら申請さえ行えば誰でも派遣会社の事業を行うことが出来るハードルの低いものでしたが、許可制になることで特に資産・現預金の面で許可基準を満たせなくなり、派遣事業を継続して営むことが出来なくなる派遣会社が多数出てきます。

派遣会社は中小様々な会社があって、中には何をやっているのかあやしい派遣会社や悪質な派遣会社があります。

派遣会社を装って、登録だけさせ個人情報だけを集めているような会社。

給与がきちんと支払われない、社会保険になかなか入れさせてもらえないブラックな派遣会社。

法改正により、こういった あやしい派遣会社を一掃したい という狙いがあります。

あやしい派遣会社を一掃するのは良いのですが、まっとうに派遣会社を営んでいる小規模の派遣会社も資金面や教育の整備や教育に掛けるお金が無いという理由で派遣会社の事業を継続できなくなるので

契約期間が残っていたり、派遣先から契約期間の延長の見込みがあったとしても派遣契約は派遣先と派遣元で結ばれているものなので、突然就業が終了になるケースが出てきます。

派遣元が潰れてしまえば派遣社員として継続して働くことや新しい派遣先に就業することも出来なくなるので、働き口が無くなり路頭に迷うことになるか、許可が下りている新たな派遣会社を探さなければいけない人が少なからず出てきます。

2018年問題をチャンスと捕らえている派遣会社がある。

飛躍

派遣会社が会社の規模を大きく成長させるには、社員数を増やすことです。

人を出来るだけ増やし、その人たちを出来るだけ早く派遣先に就業させることで売り上げを上げて会社を大きくしていきます。

派遣業界は退職率が高く、辞める人を食い止めるか(←無理) 辞める人以上に人員を増やして行かないと売り上げが落ちてしまいますからね。

現在、派遣会社では採用に力を入れて募集を行っても、経験を持った技術者が集まらず人手不足となっており、中途採用で社員の増員をすることが中々できない状態です。

特にweb媒体にいくらお金を掛けても反応が薄く、応募があったとしても未経験者ばかりで応募してきた人で社員として成約する率が技術職の派遣の場合3%前後と言われています。

未経験者やなんでもかんでも人を集めれば良いわけではなく、派遣先は即戦力を求めているので未経験者では、就業が難しく派遣先で教育をして育ててくれる派遣先も今は、ほとんど無いので就業できなければ人を集めたとしても意味が無くなってしまいます。

今現在は人を募集しても人が集まらない状態ですが、2018年10月を目処にこの状況が変わってくると思っています。

なぜなら申請から許可制に切り替えが出来なかった小規模の派遣会社を大手派遣会社が吸収合併する動きがあるでしょうし、

吸収合併出来なくてもそこに在籍していた派遣社員は今まで派遣先で就業していた即戦力の人材として市場に出回ることになるので応募をかければこの人たちを取り込める可能性が高くなります。

また、市場に出回る前に取り込む動きを活発にする派遣会社も出てきます。

一つの派遣先内で就業している派遣社員は同じ派遣元ではない同業他社の派遣社員も在籍しています。

契約更新の時期でもないのに終了となる場合は、他社であってもなんで終了なのか派遣社員同士で当然話しはしますし派遣元が潰れるって話であれば
「じゃあ 自分のところの派遣会社はどう?」と引き抜きや紹介の話しをします。
(紹介するだけで、紹介料が支払われる場合や成約までいけばさらに成約料として報酬を出す派遣会社があります。)

知人や友人を紹介する社員紹介制度では、案件自体は少ないものの即戦力が紹介されるので条件さえ合えば入社、稼動になる確率が60-70%と成約率が非常に高く効率が良いので派遣会社としても採用活動には欠かせない取り組みになっています。

小規模の派遣会社は廃業になる一方で、派遣会社の採用担当は有用な人材が市場に流れてくると期待をしています。
2018年問題によって派遣会社の再編が行われ、大きく成長する派遣会社が出てくるのではないでしょうか。

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