派遣社員の正社員化が進まない理由

政府が雇用安定化のために派遣社員の3年ルールや2018年問題等で法律を改正し非正規社員の削減を進めようとしているが何ら変わっていないのが実情である。
2004年3月1日の労働者派遣法の改正で施行された内容は
『派遣労働者を3年超受け入れている状況下において、同一の業務に新たに社員を雇い入れる場合は、企業は該当する派遣労働者に対し直接雇用の申し込みをしなければならない。』
とされているが、派遣先である企業側が、新たな社員を雇い入れているにも関わらず、派遣社員の正社員化が進まないのは、そもそも派遣社員を直接雇用する意思が無いと思える対応を取っていたり直接雇用の申し込みが発生しない抜け道があるからです。

①新卒社員を採用する場合

雇っている派遣社員が3年受け入れ経過すると直接雇用の申し入れを行わなければいけなくなるが、新卒社員の配属として派遣社員が行っていた業務を割り振る場合は、同一の業務を行わせるために新卒採用をしたわけではなく、
人員配置の結果として”たまたま”派遣社員の行っていた業務に割り振られただけなので対象外と考えられる。
あくまでも”たまたま(←本当かよ)なので、間違っても派遣社員本人に「現在、あなたの業務をやってもらうための代わりの社員として、新卒社員の配属を人事部に要請している」
なんて言ってしまうと直接雇用の申込義務が発生してしまう。

②中途社員や別の派遣社員を採用する場合

派遣社員のやっていた業務を行わせるために中途採用として社員を雇い入れる場合や代わりに別の派遣社員を雇い入れる場合には、注意が必要で、
「あなたが行っている業務に中途社員(別の派遣社員)を雇い入れようと思っている」
などと伝えた場合、会社として「同一業務に新たに社員を雇い入れる」旨の意思表示をしたとみなされ直接雇用の申込義務が発生する。

派遣社員本人に別の人を雇うことを伝えさえしなければ、問題にならない(バレない)わけだが、業務の引き継ぎをさせるためや次に同一業務を行う人に業務を教えるために
現在の派遣社員と次に雇う人の雇用期間が重なるようなことをしてしまうと
「あれ? なんで同じ業務をやらせるのに別の人を雇うの?」となってしまうので、雇用期間が重ならないように配慮をする必要があるでしょう。

③社内の正社員を異動させる場合

事業部制を取っているような企業では、売り上げが落ちている事業部から他の事業部に人員配置をして組織再編することは行われていますし本人の希望で、他の部署に異動する場合もあります。
派遣社員が行っていた業務を行わせるために社内のヒマな部署の人間や他部門からの異動という形で社員を割り振る場合は、対象外となります。

直接雇用の申込義務は、新たに社員を雇い入れた場合を前提にしているので、今いる社内の人員で業務の割り振りが出来るのであれば、
新たに社員を雇ったわけではない“ので直接雇用の申込義務は発生しません。

④派遣社員自体が、直接雇用を望まない場合

派遣社員の中には、直接雇用の社員として働きたくないと思っている人やライフスタイルの選択として自ら派遣社員を望んで働いている人もいるので
万一、直接雇用の申込みをしなければならない状況下になってしまったとしても、派遣社員が直接雇用を望まない場合は、引き続き派遣社員として働いてもらうことができます。

逆に本人が直接雇用を望んでいたとしても『直接雇用を望まない』と本心とは違う回答しなければいけない、せざる得ない場合もあります。

派遣社員の直接雇用の就業希望の有り無しに関わらず3年超えの派遣社員に対して引き続き派遣社員として働く場合は、一度書面を通じて直接雇用の申し込みを行うことを
キッチリ対応している企業もあるのですが、直接雇用の申し込みがあったから、それを受け入れられるかというと待遇や条件が合わなく仕方なしに断らなければいけない場合があります。

例えば
直接雇用=正社員ではないので、1年契約の契約社員として雇うとして1年後の契約については保証しないとしたり
(1年後に雇用がどうなるかわからない契約で直接雇用にして欲しいなんて思わないですよね)
現在貰っている派遣社員としての給料より下がるような給料形態になるといった条件で、派遣社員のまま働いていたほうがマシと思えるような条件を出してきます。

まぁ法律で形式上対応が必要だから直接雇用の申し込みをするけど企業側に直接雇用の意思は無いので、この条件なら断るでしょ? 断ってね!ということでしょうね。

まとめ

毎年企業では、新入社員が採用されているし、人手不足から中途採用の募集もされているのに関わらず、派遣社員の正社員化が進まないのは
『同一の業務を行わせる』という縛りがあるからでしょうね。
建前上、同一の業務を行わせるためでは無いとしてしまえば、新たな人を雇っても問題にならないような法律がクソだし
代わりの社員を雇うというようなことを軽率に発言しないように担当者に注意喚起の通達まで出している企業もあるので、正社員化なんて進むわけが無いですよね。

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コメント

  1. takafumi より:

    こんばんは。初めまして。
    政府が法律を改悪したのは明らかですね。
    年金だけが問題なのではなく、
    日本政府がしてきたことはほとんど全て裏目に出て、
    というか時の大臣は法律の専門家でもないのに、
    思いつきで法律を変えてきたので、
    日本は破滅に向かっていると言って間違いないでしょう。
    かなり厳しいですが稼ぐ力を身につけるしかないでしょうね^^;